腰痛は日本人の成人にとって非常に身近な健康問題であり、約4分の1が何らかの形で腰痛を経験しています。特に「非特異的腰痛」と呼ばれる原因不明の腰痛が多く、欧米の研究では患者の85%がこのカテゴリーに分類されています。
日本ではどうでしょうか、日本で整形外科医が詳細に診察し診断を行った結果、非特異的腰痛の割合は22%と欧米諸国よりも低い結果が得られました。日本では整形外科医が初診を担当することが多く、診断精度が高い一方で欧米では一般医が初診を行うため、診断可能な腰痛の割合が低かったようです。
・研究内容
日本の整形外科専門医が日本国内の20歳~85歳、平均年齢55.7歳 320人の腰痛の患者を問診、神経学的所見、画像検査等を用いて詳細に診断しました。
結果、78%の腰痛の原因が判明しました。
主な内訳は下記の通りです。
椎間関節性腰痛 68人
筋、筋膜性腰痛 56人
椎間板性腰痛 40人
腰部脊柱管狭窄症 35人
腰椎椎間板ヘルニア 22人
仙腸関節性腰痛 18人
腰椎圧迫骨折 10人
参考文献:h.Suzuki他 日本における非特異的腰痛の診断と特徴:山口腰痛研究所 PLoS ONE 11(8): e0160454 2016年